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電子カルテの普及と活用が「予防医療」充実のカギ

平野英治・メットライフ生命副会長・元日銀理事
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 当コラムで筆者は、世界に先駆けて日本が「活力ある高齢化社会」を実現するために、人々の健康増進を図る一方で、生産性を向上させることが不可欠であると論じた。そうした試みを成功に導く一つの要素が予防医療であり、そのためには国民が健康データを自己管理することが重要だ。人々が自らの健康指標をチェックし、潜在的な危険信号を察知して、長期的な健康の維持に役立つ対策を講じることができるようになるからだ。

 しかし、スマートフォンひとつで膨大な情報を簡単に手に入れることができるようになった今でも、例えばコレステロール値の推移を確認したい場合、診療記録の写しを医師に依頼するか、過去の健康診断の結果表を確認しなければならない。

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平野英治

メットライフ生命副会長・元日銀理事

1950年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。33年あまりの勤務で国際局長や国際関係担当理事を歴任した。金融政策、国際金融の専門家で、金融機関の監督にも手腕をふるった。2006年に日銀理事を退任後、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンシャルサービス株式会社に転じ、14年6月まで副社長を務めた。同年9月、メットライフ生命保険日本法人の副会長に就任。経済同友会幹事としても活動している。