今後のシナリオ(3)
企業が業績不振に陥り、身動きがとれなくなった場合、「法的整理」に進む手前の段階で、「金融支援」というステージがある。企業に融資している銀行が、債権放棄を中心とする支援を行い、借金を身軽にして企業を再建する手法である。東芝の場合、この「金融支援」が行われる可能性があるのだろうか。
東芝の金融支援を論じる際に押さえておきたいのは、今の東芝に対して銀行団が組んでいる支援体制と、債権放棄を伴う金融支援とはまったく別個のものということだ。債権放棄は、銀行にとっては「焦げ付き」だ。融資したお金が返ってこないということで、あってはならない事態だ。
それだけ特別なことなので、金融支援は一つの企業に2回は行われない。ひとたび金融支援を行い、それでも業績が回復せず再び苦境に陥った場合、再度の金融支援は行われない。その企業は解体されるか、別の企業の傘下に入るか、法的整理になるかだ。
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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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