この酒場この一品

「お通しは豪華刺し盛り」で記憶に残る強烈居酒屋

印束義則・ライター
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「お通し」(500円税別、以下同)が刺し身の盛り合わせという豪華さ。写真は3人前
「お通し」(500円税別、以下同)が刺し身の盛り合わせという豪華さ。写真は3人前

 お客さんにお店の印象を強く残すため、「最初の一品」と「最後の一品」に特に力を入れるお店がある。どんなに酔っ払っていても、最初と最後に食べた料理は記憶に残りやすい、という意味だ。

 埼玉・北坂戸の「北の炉端や くろえもん」(埼玉県坂戸市薬師町、東武東上線北坂戸駅徒歩1分)は、まさにそんな売り方で人気のお店。看板商品の炉端焼きメニューも、もちろん記憶に残る魅力の料理なのだが、それ以上に、まず最初の一品が強烈に記憶に残る。なぜなら、最初の一品であるお通しが、何と刺し身の盛り合わせなのである。

 「くろえもん」の「お通し」は1人500円(税別、以下同)で、他にサービス料が200円かかる。居酒屋のお通しに関する考え方は店それぞれで違うが、「くろえもん」はまず、海なし県の埼玉で刺し身を売り物にし、ぜひそれをお客さんに食べてほしいと考えた。そして刺し身がバンバン出れば食材の回転率もよくなり、常に鮮度の良いものを提供できる。「それならお通しに組み込もう!」と考えたのだった。

 刺し身の内容は日替わりだ。例えば、マダイ、カツオ、カンパチ、水ダコ、そして上州牛のにぎりずし、といった内容に。刺し身を厚めに切りつけるのも特徴で、マダイやカツオなどは厚さ2センチもある。

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印束義則

ライター

1966年福岡県生まれ。飲食店専門誌を多数発行する旭屋出版で「すしの雑誌」など専門誌、ムック編集に携わり、独立後はライターとして幅広く活躍。これまでに取材した飲食店は2000店以上、ローカル立地の繁盛店などニッチな飲食店情報に強い。「月刊近代食堂」(旭屋出版)に「ローカル実力店の強さの秘訣」「繁盛店を作るメニュー表」、「日本外食新聞」(外食産業新聞社)に「二等立地…地方立地…ありえない立地 印束義則の繁盛店実況中継」を連載中。