
この欄で池上彰や佐藤優の本を取り上げたいと思っていた。書店に行けば、この2人の著書が平積みになっているし、中身もなるほど、これは売れるよなあというものが多い。しかし、頻繁に本が出るので、どれを紹介したらいいか迷っていた。
そんな時に目についたのが、この2人の対談による「僕らが毎日やっている最強の読み方」(東洋経済新報社)だった。池上と佐藤が知の源泉を披露し合っている。今という時代において、私たちが情報をどのように得たらいいのか、参考になる指摘がふんだんにあるのだ。
池上と佐藤はともに豊かな経験がある。池上はNHK勤務の後、フリーに。テレビキャスターとして、政治や社会の複雑な問題をかみくだいて解説する。
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重里徹也
文芸評論家、聖徳大教授
1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。