JFK通りに並ぶ近代的なビル。旧市街地とのコントラストを見せる(写真は筆者撮影)
JFK通りに並ぶ近代的なビル。旧市街地とのコントラストを見せる(写真は筆者撮影)

グローバル藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

藻谷浩介が見た“格差最小化国家”ルクセンブルクの真価

藻谷浩介 / 地域エコノミスト

ルクセンブルク編(2)

 1人当たりGDP(国内総生産)が日本の2.7倍の10万ドル超(2016年)と、世界一のルクセンブルク。だが、この国に行ったことがあるというビジネスマンに、筆者はこれまで会ったことがない。「世界一豊かな国」の現状と真価を探る第2回。

世界遺産なのに観光客への演出がヘタ

 欧州の主要な金融センターでありながら、都心には高層オフィスも高層マンションもなく、成り金やスノッブ(鼻持ちならない)といった感じの人物も見かけないルクセンブルク市。欧州各地で問題となっている格差拡大や、移民と地元民の軋轢(あつれき)といったものは、居住者の45%が外国人というこの小国には存在しないのだろうか。

 今は国際金融拠点となっているルクセンブルク。だが、もともとは屈曲するアルゼット川の峡谷に周囲を囲ま…

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藻谷浩介

藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外95カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。