くらし下流化ニッポンの処方箋

高齢者への給付が現役世代を助けている現実

藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

提言「不安な個人、立ちすくむ国家」への不安(2)

 経済産業省の若手官僚グループが5月に公表した提言「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」は、ウェブやSNS上で広く話題となりました。

不安な個人、立ちすくむ国家

 提言は全体的に、「日本にはもう財源がありません」とギブアップし、社会保障費の配分先を高齢者から若者(現役世代)にシフトしましょう、と提案する内容です。現状を変えられないので、内部で配分先を調整するという、従来の官僚主義的考え方に立っています。

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藤田孝典

藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。