
トランプ政権による“テロ支援国”からの渡航制限に対し、主演女優がアカデミー賞出席を拒否して声明を出し、作品は外国語映画賞を受賞。反トランプの象徴のように注目され、内容とは別のところで時流に乗った、いわば「政治銘柄」のイラン映画である。
これが実態以上の高値なら要警戒だが、むしろもっと高く買われていい。政治とは切り離しても、優良な推奨作品だ。密度の高い不穏な空気が充満したサスペンスであり、知的なたくらみをはらんだ人間ドラマである。2016年の第69回カンヌ国際映画祭で脚本賞と男優賞を、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した。
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