街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

葛西臨海公園の緑に包まれるホテルシーサイド江戸川

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

7000円(税込み)~

 東京都江戸川区が保有し、ホテルオークラ系の会社が運営するいわゆる公共の宿だ。だが1泊するうちに、立地、付帯施設、客室、そしてレストラン等さまざまな要素で、自分の中にある「公共の宿」のイメージが覆された。

 JR京葉線葛西臨海公園駅下車・徒歩3分。新木場と舞浜の間の駅と説明したほうが、より利便性が伝わるかもしれない。海に隣接し、緑豊かな葛西臨海公園の中にある。

 水族館や、公園のシンボル・大観覧車までは歩いて10分ほど。野鳥保護区もすぐ近くにあり、園内を歩くとさまざまな野鳥が目に飛び込んでくる。宿から南に歩き、橋を渡ると、そこはもうひとつの公園、葛西海浜公園で、春は潮干狩り、夏は磯遊びを楽しめる。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)