辻野晃一郎の「世界と闘え」

「水と油」ソニー&米MSの提携で学んだチーム作り

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
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 何か新しいことを始めるときに最初から大所帯のチームで始めることはまずない。どんな偉業も、最初はたった一人の夢や妄想から始まる。その夢や妄想を現実にしようと動き出した時、一人ではできないことに力を貸してくれる仲間が必要になる。起業や会社の新規プロジェクトなどでゼロからチームや組織を作るというのは、そういうことだ。

 筆者が社会人になって初めてチームを任されたのは、ソニー在籍時に「P1プロジェクト」というチームの統括課長になった時だ。当時、ソニーでは次世代家電に必要なシステム構築やデバイス開発を米マイクロソフト(MS)と業務提携して進めることになり、その推進母体として新設された10人ほどのエンジニア集団だった。

 インターネット普及前夜、米国でクリントン元大統領がゴア元副大統領と共に「情報スーパーハイウエー構想」を打ち出した1990年代半ばの話だ。MSとの提携は、会社の将来に危機意識を強めていた筆者が両社の間を奔走して話をまとめ、経営会議に諮って当時の大賀典雄社長から承認されたものだった。

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辻野晃一郎

アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。