
銀行店舗の大改革が始まる。昨年来、銀行幹部による欧米出張が相次いでいる。その目的のひとつは欧米銀行の最新鋭店舗の視察だ。もちろん、自行の店舗改革のためである。
背景にあるのはマイナス金利政策である。国内収益悪化の長期化が確定的であり、それをはね返すには、個人や中小企業を対象とした「リテールバンキング分野のコスト構造改革に本格的に着手し、コスト競争力を高めるしかない」(メガバンク幹部)からだ。「リテールバンキング」とは、個人や中小企業を対象とする支店での小口金融業務のことだ。
欧米の銀行業界ではこの10年余り、ITを駆使しながら自在な店舗を作りあげる変化が起きている。「店舗革命」と呼ぶべきものだ。これは、リーマン・ショック後に欧米で湧き起こった銀行への厳しい批判に対処し、多くの銀行が顧客支持を回復させるために、「よりよい店舗作り」を目指したことによる。
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