
再び、女性の貧困(2)
ケン・ローチ監督の映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年イギリス)は、英政府の社会保障制度にはじかれた人たちが、苦境に置かれながらも人間の尊厳を求めて懸命に生きる姿を描いています。
主人公ダニエル・ブレイクは、非人間的で血が通わない社会保障の運用と官僚主義に抗議し、闘いましたが、異議申し立ての直前に亡くなります。ブレイクが助けたシングルマザーのケイティは、子供の新しい靴すら買えない困窮の中で、やむを得ず風俗の仕事に就きます。
困窮や貧しさのつらさ以上に、職を得られず、社会から疎外され、そこからいつ抜け出せるか分からない閉塞(へいそく)感の描写が、胸に強く迫りました。
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