「この人、この土地」だから生み出せる一品

幻の果実へベスで感じる宮崎・日向「南国の夏と香り」

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
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宮崎県日向市で栽培されるヘベスとヘベススカッシュ=小高朋子撮影
宮崎県日向市で栽培されるヘベスとヘベススカッシュ=小高朋子撮影

 さわやかな酸味と力強い香りに、ジューシーさが特徴の柑橘(かんきつ)類ヘベス。炭酸水にひと搾りして輪切りにした果実を浮かべれば、見た目にも涼しげな飲料の完成だ。苦みが少なくさっぱりしていて、夏の暑さで疲れた体を癒やしてくれる。8~10月に旬を迎える。

知名度が低かった地域の特産品

 ヘベスは、カボスやスダチと同じ香酸柑橘類である。果皮が薄くて種も少なく、果汁が豊富だ。焼き魚や刺し身に搾りかければ、香りが広がり、魚の生臭さも消してくれる。輪切りの果実を焼酎に合わせるのも最高だ。あらごしすれば粒の食感も楽しめる。

 ヘベスは漢字で「平兵衛酢」と書く。江戸時代末期、現在の宮崎県日向市で、長曽我部平兵衛という人物が山…

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小高朋子

旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。