海外特派員リポート

“格差問題”に応えられないG20に存在意義はあるか

三沢耕平・毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)
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会場周辺はG20開催に反対する横断幕が掲げられ、関係者は徒歩での移動を余儀なくされた=ハンブルクで2017年7月7日、三沢耕平撮影
会場周辺はG20開催に反対する横断幕が掲げられ、関係者は徒歩での移動を余儀なくされた=ハンブルクで2017年7月7日、三沢耕平撮影

 主要20カ国・地域(G20)首脳会議が7月7日から2日間の日程で開かれた。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領が初めて参加。協調路線を維持できるかが問われたが、トランプ氏との亀裂は深まるばかり。国際的な政策協調はもはや限界に来ており、G20の存在意義も揺らぎ始めた。

 会場はドイツ北部・ハンブルク。古くから貿易の要衝として栄えた欧州の玄関口だ。空路の機窓から眼下に広がる港街は、ろうそくの灯のような貨物船のライトでオレンジ色に染まっていた。ヒト・モノ・カネを集めるグローバル都市の活力の灯にも見えた。

 「地獄へようこそ!」「Fuck(くたばれ)20!」。街中で最初に目にしたのは、そのグローバリゼーションに反対する看板や横断幕だった。会場周辺では約5万人がG20の開催に抗議し、車を燃やしたり、商店のガラスを割ったりするなどして暴徒化。タクシーやバスは使えず、鉄道も主要会場の最寄り駅が封鎖され、報道陣は徒歩での移動を余儀なくされた。地元警察によると、186人を拘束、負傷した警官は500人弱に達した…

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三沢耕平

毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)

1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。19年10月から経済部編集委員。