
A男さん(35)は、従業員数約50人の会社で働く中途入社7年目の営業マンです。7月にボーナスが支払われたのですが、その内訳を見て会社に不信感を抱くようになりました。
退職した元同僚が未払い残業代を請求
A男さんの6月までの給与は基本給30万円、主任手当1万円、営業手当3万円で、月額34万円でした。営業手当は営業マンに支給される手当で、一定時間の残業代相当額と説明されています。別に残業代が支給されたことはありません。
A男さんは、顧客面談などで終業時刻以降も仕事をすることが多かったのですが、営業職とは、時間に関係なく成果を上げる仕事だと考えていました。営業成績がボーナスの査定に直結するため、とにかく営業成績のアップに注力する日々でした。
この記事は有料記事です。
残り1890文字(全文2211文字)
投稿にはログインが必要です。
特定社会保険労務士
大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/
注目コンテンツ