藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

アララト山の美しさに磨かれたアルメニア人の誇り

藻谷浩介・地域エコノミスト
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エレバン都心から北側の丘に登る大階段「カスケード」。地下にエスカレーターがある(写真は筆者撮影)
エレバン都心から北側の丘に登る大階段「カスケード」。地下にエスカレーターがある(写真は筆者撮影)

 東アジア人種を「モンゴロイド」と呼ぶのに対し、白人種は「コーカソイド」(コーカサス人)と呼ばれる。だがそのコーカサスはどこにあって、日本からはどうやって行くのか? 名前からして白人種の故郷なのだろうけれども、今はアジアなのか、ヨーロッパなのか? 安全なのか、危ない場所なのか? 強烈な個性を持ちながら日本ではほとんど紹介されることのない旧ソ連・コーカサス3国(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)の、行ってみて初めてわかる実像。アルメニア・エレバン編第3回。

 数値で見る経済水準の低さとは大きくかけ離れた、美しく端正な都心街区。行き交う“アルメニア美人”。しかし、気安い雰囲気のジョージアとは違ってどこか取っ付きにくい空気が漂い、外国人観光客もほとんど見かけないエレバン。家並みの向こうに垣間見えた霊峰アララト山の、全容が見える場所を探す。

 庶民の暮らす東方の丘を下りて西へ、再び都心方向に戻ると、自由広場にたどり着いた。大勢の子供が、電動カートやセグウェイのようなものに乗って遊んでいる。そこから真北に向かうと、外周の丘に向けて真っすぐに上る大階段(カスケード)が現れた。これこそ、国境の南にあるアララト山と正対する展望用施設に違いない。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。