思いを伝える技術

「人生の最期をどう迎えるか」文書で残す大切さ

川井龍介・ジャーナリスト
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 病気になって、万一回復の見込みがないとわかった場合、延命治療を受けるか、あるいは拒否するか。決めるのは患者本人であり、入院時に、病院から患者にこうした問いかけをすることがあります。

 回復の見込みがない、というのはいわゆる終末期といわれるもので、余命がある程度具体的に推測できる段階です。

 自分の死期について考えるのは、誰だって気の進むものではありません。元気なうちはなおさらです。しかし、元気なうちだからこそ、意思を伝えられるのです。物事を正常に判断できなくなればそうはいきません。

 本人が判断できない場合は、病院は代わりに親族の意思を確認します。近くに親族がいない場合は、病院としても判断は難しくなります。その意味でも、できるだけ本人の意思がはっきりしているうちに、終末期に対する考えを確認するようにしているようです。

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川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。