辻野晃一郎の「世界と闘え」

会社という仕組みで目標達成を目指すのは「時代遅れ」

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
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 「会社」とは、何か達成したいゴールがある人にとって、そのゴールにできるだけ早く到達するための一つの仕組みとして発明されたものといえる。

 英語で「カンパニー(会社、仲間)」というように、ゴール達成を支援してくれる「仲間」を株主や社員として集め、その人たちの力を借りて一人の力ではできないことを成し遂げる。集めた資本を継続的に運用する形の最初の株式会社は、1602年に設立されたオランダ東インド会社とされる。

 しかし、それから何百年もの時を経た今、果たして会社という仕組みは目的達成のために本当に合理的なものなのだろうか。自分で会社を起こしてさまざまな経験を重ねると、そこに思考停止があってはならないと認識し、真剣にそんなことを考えるようになった。

 創業者や経営者側からすれば、人を一人雇い入れれば、それに掛かるコストやストレスは相当なものだ。また、資本政策や株主構成を間違えると、よくあるお家騒動や乗っ取りなどのリスクも高まる。今更ながらだが、起業しようと思う人は、会社という仕組みを使うことのメリットとデメリットについてよく理解しておかねばならない。

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辻野晃一郎

アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。