藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

アンカレジ 北回り航空路で栄えた懐かしの街の今

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ユーモラスな熊の写真が出迎えるアンカレジ空港(写真は筆者撮影)
ユーモラスな熊の写真が出迎えるアンカレジ空港(写真は筆者撮影)

 アンカレジ。1980年代半ばまで、日本と欧米を最短で結ぶ航空便が給油した町。乗客はアンカレジ空港で2時間ほど降ろされ、免税品店は日本人の爆買いでにぎわった。しかし機材の航続距離改善で北米線の給油は無用となり、ソ連崩壊後のロシア上空の航空路開放を受けて欧州線も立ち寄る必要がなくなり、以来30年。今はどんな感じになっているのか。その第1回。

 2016年9月末。成田から9時間で、米国本土で一番日本に近い町・シアトルに飛ぶ。それから3時間半かけてアラスカのアンカレジへ。同じルートの上を、5分の2逆戻りする形だ。

 日本から直行便があれば6時間のところ、乗り継ぎ含め15時間。今回は東海岸での講演にくっつけて1泊だけ寄ってみたのだが、シアトルからの往復運賃だけで9万円弱も余計にかかった。我ながら物好きとしか言いようがない。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。