ニッポン金融ウラの裏

「オレオレ詐欺」を水際で食い止める銀行員の“奮闘”

浪川攻・金融ジャーナリスト
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振り込め詐欺の防止策を書いたペン立て=2015年10月17日、宮嶋梓帆撮影
振り込め詐欺の防止策を書いたペン立て=2015年10月17日、宮嶋梓帆撮影

 オレオレ詐欺の対応に銀行業界が苦慮している。今年に入って、詐欺の被害額は前年比で減少しているものの、だまされて預金を解約するために銀行の支店を訪れる顧客の動きは絶えない。依然として、ATM(現金自動受払機)の前で預金引き出しを思いとどまらせるために顧客を説得する銀行員たちの水際作戦が全国各地で続いている。

 警察庁の統計によると、オレオレ詐欺、還付金詐欺などの振り込め詐欺の被害額は今年上期(1~6月)、前年比13.1%減の186億円となった。ただし、事前に察知して犯罪を防いだ案件も含めた「認知件数」は拡大しており、犯罪集団の動きが沈静化したわけではない。被害額の減少は、警察当局による注意喚起活動、取り締まりの成果であり、同時に、銀行など金融機関の営業現場における水際作戦が効果を上げているためと言える…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。