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「貯蓄少ない母子」医療保険に年12万円の本末転倒

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー

 会社員のA子さん(32)はシングルマザーです。手取り年収は約380万円で2歳の子供がおり、貯蓄は多いとはいえません。万が一入院した場合に全額自己負担となる「差額ベッド代」のことを考え、A子さん自身だけでなく子供も医療保険に加入しています。保険料は親子2人で年12万6144円(月1万512円)。A子さんが終身医療保険と定期がん保険、子供が終身医療保険です。

 「貯蓄がほとんどない状態で病気になったことを考えると心配だ」というA子さんの気持ちはわかります。ただ医療に関する公的保障はかなり手厚いので、生活費の半年から1年分くらいを貯蓄していれば、医療保険に入る必要はほとんどありません(前回参照)。

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。