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「ラーメン1人前」と「一人前のラーメン屋」の違いは?

毎日新聞校閲グループ
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 今回は、数字の意外な手ごわさを中心にお伝えしていきます。例えば、「いちにんまえ」と漢字で書くとき、どう書きますか。

 「ラーメン1人前ではとても足りない」「一人前のラーメン屋になりたい」

 この二つの文章の違いはお分かりでしょうか。新聞では、1人に割り当てる量なら「1人前」、つまり「2人前、3人前……」と数えられるので、「1」と洋数字(算用数字)で表します。一方、「独立した社会人であること、成人であること、技芸・学問などが一応の水準に達していること」などを表す「一人前」は、それだけで意味を持った言葉ですから、漢数字で書きます。

 「二番煎じ」「三度目の正直」なども同様です。ほかの数字に置き換えられないような言葉は漢数字で書いて、ひとまとまりの語句であることを表します。

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毎日新聞校閲グループ

毎日新聞は東京に40人余り、大阪に30人余りの校閲記者がいる。原則として広告などを除く全紙面について記事のチェックをしており、いわば新聞の「品質管理部門」。書籍などと比べてかなり短時間で仕事をこなさなければならないのがつらいところ。朝刊の校閲作業は深夜になるため生活は「夜型」である。