
カードローン問題に関する銀行業界の取り組みが前進する。全国銀行協会はこのほど、カードローン顧客の抱える問題に対応するカウンセリング窓口を協会内に設けることを決めた。また、家族からの申し出で貸し付けを自粛する仕組みを導入する。また、これまで日本銀行が3カ月に1度公表していたカードローンの残高を、銀行協会加盟行の集計により毎月公表することも決めた。
カウンセリング窓口の設置や、貸し付け自粛の仕組みは評価したい。カードローンが、顧客にとっても一定のメリットがある商品だという前提で考えれば、その商品の社会的なリスクを商品提供者側が解消していくことは重要だからだ。かねて問題視されてきたギャンブルなど遊興費のためのカードローン利用、そして、それらの要因から発生しがちな多重債務問題に取り組むことは必要だった。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。