藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

スコットランド UKから独立したいが現実の厳しさ

藻谷浩介・地域エコノミスト
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エディンバラの新市街(後ろ左)と旧市街(正面右)を隔てる公園(写真は筆者撮影)
エディンバラの新市街(後ろ左)と旧市街(正面右)を隔てる公園(写真は筆者撮影)

 英国の正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(UK)だ。イングランドに、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドなど、自治を行う大小地域が合体している。世界都市ロンドンから一歩出ると見えてくる、同じ島国でも日本とは完全に異質の多様性。EU(欧州連合)離脱でさらに複雑さを増しそうな、地べたの現実とは。そのスコットランド編第1回。

 北アイルランドやウェールズが、ブレグジット(英国のEU離脱)にお付き合いしそうなのに比べ、EU志向の強いスコットランドではこれを機会に独立論が再燃していると聞く。この違いの由来はどこにあり、現実性はどうなのか。ブレグジット決定直前の2016年5月に、スコットランドを駆け足で訪問した記憶を呼び起こしつつ、考えてみた。

 スコットランドの首都エディンバラは、日本人にも人気の美しい町だが、ロンドンから行く場合、多くの人が飛行機を使うようだ。だが距離は約630キロ、鉄道でも4時間半弱とさほど遠くない(距離は東京-八戸、所要時間は東京-新函館北斗と同程度)。しかもエディンバラ駅(ウェイバリー駅)は、旧市街と新市街を隔てる谷の底という、どちらにも徒歩直結の便利な場所にある。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。