思い邪なし

思い邪なし3 誓いの血判状(三)

北康利・作家
  • 文字
  • 印刷

序章 はじめにまず“思い”ありき

誓いの血判状(三)

 辞表提出は後先考えない衝動的な行動であったが、すぐに彼を支援する仲間が立ち上がった。

 元上司が中心となって彼に新会社設立を促したのだ。

 担ぎ上げられた稲盛は腹をくくった。

 この時点で、稲盛がセラミック研究に取り組んできた時間は、粘土について研究した大学での最後の半年と松風工業に入社してからのわずか三年八カ月でしかない。

 おまけに資金ゼロ、会社経営の経験ゼロ。

この記事は有料記事です。

残り942文字(全文1148文字)

   

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。