
衆議院議員選挙が迫る中で、金融政策の在り方にも注目が集まることになりそうだ。自民・公明の政権与党は、安倍晋三政権による経済政策「アベノミクス」の継続を掲げている。だが、選挙結果次第では、別の選択肢も浮上しかねないからだ。
アベノミクスによる経済政策の中核が量的緩和政策であることはいうまでもない。安倍内閣の任命によって就任した黒田東彦総裁が率いる日銀は、巨額の国債購入によって市場金利を押し下げ、市中にマネーを供給する「異次元緩和政策」を断行し、それを継続している。
そのターゲットとなっているのは「物価上昇率2%の安定的な達成」である。さらに、日銀は2016年2月には、日銀当座預金に流入する新規資金についてマイナス0.1%の金利を課すマイナス金利政策も実施した。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。