思い邪なし

思い邪なし5 新発見の手紙(二)

北康利・作家
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新発見の手紙(二)

 会社は其(そ)の后(ご)、相変らず好転せず、年末を待たずに首切り(大量)をする予定です。

 先般来、会社建直し策を検討して居りましたが妙案がありません。小生の特殊磁器部門が忙がしいのみです。最后的には小生の所だけにして会社を閉め様と云ふ様な事迄出る有様です。

 今月初旬より其の様な空気になって来ますと、色々の人が小生の所へ目を付けて色々ともめ事もあり、全くわずらわしい事でした。

 しかし小生の所ものんきに仕事をして居れる時ではありません。日進月歩の今は人材の件、合理化の件等、山積して居ります。其の点を強く要望してをりましたが、会社が苦しいから出来ない訳です。

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。