思い邪なし

思い邪なし6 新発見の手紙(三)

北康利・作家
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序章 はじめにまず“思い”ありき

新発見の手紙(三)

 全(す)べて会社が良くなる事だから、自我本位の“おれのものだ”式の考へ方は止めなければいけないのでしょうが、しかしそれでは小生が余りにもかわいそうです。

 そのかわりに、抜ぐんの課長への出世であり会社幹部対等で相談其の他が出来るようにしたと云(い)へばそれ迄ですが、それよりも彼等と一緒に仕事をするならば、又つぶしてしまふと思へますので、断然反対をして、その意見が通らないので、ここ迄して来た仕事を部下を“ジリ貧”に追込むのを見るのはしのびないからと云って辞表を提出しました。

 所が会社幹部並びに社長が驚いて、君が辞めると会社全部がつぶれるから思ひ直してくれと再三再四云はれ、…

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。