
ツイッターのフォロワーが15万人を超える人気ブロガー、はあちゅう(女性、筆名)さんが7編の短編から成る初の小説集「通りすがりのあなた」(講談社)を発表した。青春時代のある一時期に交流した人の姿を回想形式または現在進行形で描く。交流期間はたった一晩から1年以上までさまざま。友人とも恋人とも言えなかったあの関係はいったい何だったのか……。言葉を尽くさねば分からないからこそ小説になったのだろう。
ちなみに本欄で今夏紹介した「ボクたちはみんな大人になれなかった」(新潮社)の著者の燃え殻(男性、筆名)さんもツイッターのつぶやきの叙情性ゆえ「140文字の文学者」と呼ばれ、多くのフォロワーがいる。文学に耽溺(たんでき)し、同人誌に参加して書いては破りの修練をしつつ、新人賞に応募を繰り返した揚げ句にようやくデビュー……という従来の作家の登場の仕方とはずいぶん違う。
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