スキル・キャリア孔子は働く人の水先案内人

論語の教え「学問に身分は関係ない」は民主主義の土台

羽深成樹 / 前内閣府審議官

 明治になって、西欧の民主主義が日本人にすんなりと受け入れられたのは、江戸時代の儒学教育が土台にあったからだという説がある。儒学には封建的なイメージがあるかもしれないが、説かれていることは、意外に民主的である。

 孔子が理想とする国家は、徳を備えた君主が、民のための統治をするというものだった。君主は横暴な独裁者であってはならず、「民の父母」として民の生活を守ることを責務とする。これを「君主制民主主義」といってもよい。

 君臣関係も、臣は君に忠で仕えるが、君は臣に礼で応じなければならない。「君の徳は風、民の徳は草である…

この記事は有料記事です。

残り1380文字(全文1639文字)

羽深成樹

羽深成樹

前内閣府審議官

1958年千葉県生まれ。81年東大法学部卒、大蔵省(現財務省)に入省。大蔵省主計局主査、防衛省大臣官房審議官、首相秘書官、財務省主計局次長、内閣府政策統括官などを経て、内閣府審議官。2017年7月退任。著書に「論語と『やせ我慢』」(PHP研究所)。