藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

運河で生きるパナマの「地峡横断鉄道」から見た絶景

藻谷浩介・地域エコノミスト
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大きな河のようにも見えるパナマ運河。最近拡幅工事が完成した(写真は筆者撮影)
大きな河のようにも見えるパナマ運河。最近拡幅工事が完成した(写真は筆者撮影)

 パナマ運河を見ながら、大西洋側の都市コロンへ鉄道で向かった筆者。麻薬密輸の拠点ともうわさされるコロンだからだろうか、パナマ市とは違った治安の悪さを見る。再びパナマ市に戻り、かつて米国の侵攻を受け、その後米国からパナマ運河を返還された歴史にパナマの未来を読む。行って見て「なるほど」の見聞記。その第2回。

 2017年8月に1泊2日で訪れてみたパナマは、1人当たりGDP(国内総生産)が1万3000ドル台(メキシコやブラジルの1.5倍)にまで発展し、首都の都心部に摩天楼のそびえる国だった。日本がバブルだった20年以上前、「治安の悪さは世界有数」と言われていたのがうそのようだ。その発展の原動力だと思われる、パナマ運河の現状を見に行く。

 太平洋岸のパナマ市と大西洋岸のコロンを結ぶパナマ運河は1914年に完成。米国東部と東アジアを最短で結ぶ運河の重要性は、中国などの発展で増している。それだけでなく、米国西海岸から欧州への流動、チリやペルーから米国東部・欧州への流動も多い。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。