メディア万華鏡

天皇・皇后両陛下の「おことば」と安倍政権との距離

山田道子・元サンデー毎日編集長
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愛媛県訪問を終え、安倍晋三首相(右端)らの出迎えを受けられる天皇、皇后両陛下=2017年10月1日、宮間俊樹撮影
愛媛県訪問を終え、安倍晋三首相(右端)らの出迎えを受けられる天皇、皇后両陛下=2017年10月1日、宮間俊樹撮影

 結構強烈だなと思った。皇后さまのおことば。10月20日、83歳の誕生日を迎えたのに先立ち、宮内記者会からの質問に文書で回答した。その中でNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞決定に関して「核兵器の問題に関し、日本の立場は複雑ですが、本当に長いながい年月にわたる広島、長崎の被爆者たちの努力により、核兵器の非人道性、ひと度使用された場合の恐るべき結果等にようやく世界の目が向けられたことには大きな意義があったと思います」と記していたのだ。

 10月6日、ICANへの同賞授与が決まった際、日本政府は公式コメントを出さず、批判の声が起きた。河野太郎外相がフェイスブックに「日本政府は、アプローチが違うとはいえ核軍縮・不拡散への認識の広がりを喜ばしく思う」という趣旨を書き込んだが、外務省が同趣旨の外務報道官談話を発表したのは8日。20日の記者会見で河野氏は「大臣声明という形で公式に出さないといけなかった。申し訳なかった」と陳謝するお粗末だっ…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。