思い邪なし

思い邪なし28 郷中教育(二)

北康利・作家
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第一章 勝ちに見放されたガキ大将

郷中教育(二)

 勉強ばかりでなく、身体も鍛えられた。特に鹿児島で有名なのが剣道だ。

 示現(じげん)流が有名だが、そのほかに、下士や郷士が学んだ「薬丸(やくまる)自顕(じげん)流」があった(『薩摩の秘剣』島津義秀著)。

 稽古(けいこ)法はきわめて単純。立木をひたすらに打つ。そして立ち会いの特徴は先手必勝。受ける前に打つのだ。最初の一太刀(“一の太刀”)ですべてを決する。それをはずされたら死ぬまでだという潔さが彼らの誇りでもあった。

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。