
2017年上半期、マンション市況は全体的に低調だった。分譲価格が高くなったことで、敬遠、様子見の動きが出たことが原因だ。
様子見する購入予定者が増えてマンションの売れ行きが鈍った場合、従来の不動産会社は分譲価格を下げた。ただ、購入者は下がった価格を見ても、すぐに飛びつくわけではなく、むしろ警戒を強める。「これは、まだまだ下がるかもしれない」と思うからだ。
すると、さらに価格が下がる。それを見て購入者はさらに警戒する……。いわば負の連鎖で、不動産市況は下がり続け、ときに「暴落」状態が起きることもあった。
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櫻井幸雄
住宅ジャーナリスト
1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。
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