海外特派員リポート

「カナダ首相のちゃぶ台返し」で火種残したTPP11

赤間清広・毎日新聞経済部記者
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ベトナム中部ダナンで断続的に開かれたTPP11の閣僚会合。大筋合意に達したが、多くのもやもやを残した=2017年11月9日午前、代表撮影
ベトナム中部ダナンで断続的に開かれたTPP11の閣僚会合。大筋合意に達したが、多くのもやもやを残した=2017年11月9日午前、代表撮影

 国際会議、特に首脳が集う首脳会合は予定調和になりがちだ。時には1年以上も前から事務レベルや閣僚レベルの会合が続き、首脳会合前に、細かな文言を含め「合意事項」が整うのが一般的だ。

 ところが、ベトナム・ダナンで11月に開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国による新協定(TPP11)交渉は、異例の経緯をたどった。

 TPPは日米やカナダ、メキシコ、ベトナム、オーストラリアなど太平洋を囲む12カ国で巨大経済圏を作る構想だ。中国や欧州連合(EU)をしのぐ経済規模に加え、関税や知的財産を含む幅広い分野でハイレベルの貿易・投資ルールを設けた点で画期的だった。2016年2月に12カ国による署名にこぎつけ、各国の国内手続きを残すのみとなっていた。

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赤間清広

毎日新聞経済部記者

 1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。