思い邪なし

思い邪なし33 泣き虫からガキ大将へ(一)

北康利・作家
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泣き虫からガキ大将へ(一)

 稲盛が小学二年生になった昭和十四年(一九三九年)、第二次世界大戦がはじまり、翌昭和十五年には紀元二千六百年記念行事が全国各地で挙行され、戦意昂揚(こうよう)が図られた。

 そして昭和十六年(一九四一年)十二月八日、真珠湾攻撃が行われ、ついに太平洋戦争の幕が上がる。

 この年の四月には主食の米までが配給制となり、窮屈な戦時体制が本番を迎えた。

 <根は内弁慶で臆病>(『ガキの自叙伝』)な稲盛少年だったが、学年が進んでいくうち子分のような友だちが四、五人でき、自身の自伝に『ガキの自叙伝』と命名するほど、自他共に認めるガキ大将へと変貌していった。

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。