思い邪なし

思い邪なし38 最初の受験失敗(一)

北康利・作家
  • 文字
  • 印刷

第一章 勝ちに見放されたガキ大将

最初の受験失敗(一)

 昭和十九年(一九四四年)の春、稲盛に進学の季節がやってきた。彼は迷わず名門鹿児島一中(現在の鶴丸高校)に挑戦することを決意する。

 鹿児島一中は、秀才中の秀才でなければ入学できない最難関だ。ところが稲盛の成績は、一年生の時こそ甲ばかりだったが、今ではほぼすべて乙という“まあできる子”というレベルでしかない。おまけに例のえこひいきする先生の心証は最悪だ。

この記事は有料記事です。

残り956文字(全文1159文字)

   

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。