思い邪なし

思い邪なし39 最初の受験失敗(二)

北康利・作家
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第一章 勝ちに見放されたガキ大将

最初の受験失敗(二)

 畩市(けさいち)の二番目の弟である兼一叔父は、徴兵されて満州に渡り、除隊後は畩市の仕事を手伝っていた。

 生真面目な人間が多い稲盛家にあっては珍しく、少し軟派なところのある異端児で、日曜ともなると、

 「おい和夫、映画でも見にいこうか」

 と誘ってくれたりした。

 <大げさにいえば、兼一叔父さんを通じて初めて外の文化と接したといってもいい>(『ガキの自叙伝』)

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。