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定年後の「鮎釣り生活」を可能にした老後の備え

広田龍介・税理士
※掲載写真はイメージです
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 F市に住むHさん(65)は、妻(62)と子供2人(長女37、次女32)の4人家族だ。子供たちは結婚して双方に孫が2人ずつ生まれ、みなが勢ぞろいするとにぎやかな家族だ。

 Hさんは、60歳定年でさっさと会社をリタイアしてからは、年金生活を楽しんでいる。会社員時代は、大企業の関連会社の役員も務めた経験があるバリバリの企業戦士だった。朝早くから夜遅くまでの仕事で、子供たちのこと、家のことはすべて奥さん任せの日々だった。したがって奥さんには頭が上がらない。

 ただ、定年後の生活設計は綿密に練り上げていた。年金生活でぜいたくはできないが、忙しくて行けなかった日本全国を旅行すること。もう一つは、友人や知人から嫌というほど「楽しいぞ!」と聞かされて、やってみたいと思っていたアユ釣りざんまいの生活を送ることだ。

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。