思い邪なし

思い邪なし49 薬学部を目指して(二)

北康利・作家
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第一章 勝ちに見放されたガキ大将

薬学部を目指して(二)

 貧しい家庭の事情を考え、

 「やはり大学進学はあきらめて鹿児島銀行に就職しようかと思います」

 と担任の辛島政雄先生(鹿児島中学時代の校長)に打ち明けたところ、

 「お前は何を言っとるんだ」

 と目をむいて怒られた。

 川上によれば、稲盛は全国一斉の進学適性試験(メンタルテスト)でダントツの学年トップをとるまでになっていたというから先生が怒るのも当然だろう。

 早速その翌日、辛島先生は稲盛家を訪ね、

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。