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日馬富士問題の裏にある「日本人ファースト」の危うさ

山田道子・元サンデー毎日編集長
引退表明の記者会見を終え、うつむきながら会見場を後にする元横綱・日馬富士=2017年11月29日、矢頭智剛撮影
引退表明の記者会見を終え、うつむきながら会見場を後にする元横綱・日馬富士=2017年11月29日、矢頭智剛撮影

 モンゴル力士会。相撲は門外漢だが、これは理解できる。モンゴル力士会は、元横綱・日馬富士の前頭・貴ノ岩関への暴行問題に関する日本相撲協会の危機管理委員会(委員長=高野利雄・元名古屋高検検事長)の中間報告に出てきた。

 毎日新聞の12月1日朝刊によると、モンゴル力士会は単なる食事会ではなく生活互助会で、会費を集め、けがをした力士の見舞金や冠婚葬祭の費用などに充てている。中間報告は、定例的会合は近年開かれていないとし、「そうした会合に出席する、しないが問題になるようなことはない」と書き添えた。

 だが、中間報告の認定に対し、記事は「場所前に部屋の異なる力士が集まり、親睦を深めることは、世間には『なれ合い』とも映る」と疑問を示し、相撲協会に力士間の横のつながりを自重するよう指導することを求めた。

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元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。