思いを伝える技術

誤って受けとられる「認可保育所と無認可保育所」

川井龍介・ジャーナリスト
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認可外保育園への公的助成を求める署名活動=2014年6月14日、取違剛撮影
認可外保育園への公的助成を求める署名活動=2014年6月14日、取違剛撮影

 税金、健康保険、教育など、社会生活に密接な制度は、新聞、テレビでよく報道されますが、そこで使われる言葉はわかりにくいものが少なくありません。一般的に使われているのとは異なる意味で使われ、言葉と実態との関係がつかめないことがあるためです。

 たとえば、「無認可保育所」という言葉。待機児童が問題になっている保育の現状が語られるときによく出てきます。保育施設には、施設の広さ、職員の数など国の設置基準を満たし、認可を受けた「認可保育所」と、それ以外の認可外保育施設があります。認可外のことを無認可ともいい、「無認可保育所」という言い方が長年使われてきました。

 無認可(認可外)の保育施設は、設置基準を満たしていないという点で、認可を受けてはいませんが、違法ではありません。たいていは行政に届け出る義務があり、行政の監督の対象にもなります。このことは、保育所に子供を預けた経験がある人や関係者ならわかるでしょう。

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川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。