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個人年金保険「月3万円で35年」会社員は得か損か

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー

 会社員のA郎さん(30)は、年収450万円で独身です。保険セールスの人に昨年「税金がお得になる個人年金保険なら預金よりも利回りが高いですよ」と勧められ、貯蓄のために個人年金保険に加入しました。しかし月の保険料を負担に感じるようになり、私のところに相談に来ました。

個人年金保険料控除で税金が減る

 A郎さんが加入したのは毎月3万円の保険料を35年間支払うと、65歳からの10年間に年135万3000円の年金が受け取れる個人年金保険です。保険料の総額は1260万円で、年金の総額は1353万円です。戻り率は107.3%ですが、35年間の平均年利回りは0.2%です。

 セールスの人には、「メガバンクの定期預金金利が0.01%です。利回り0.2%というのは預金よりお得。しかも個人年金保険料に加入すると、年末調整で個人年金保険料控除を受けられるのでさらに利回りが上がります」と説明されました。

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。