思いを伝える技術

法律文書や行政文書はなぜ意味が伝わらないのか

川井龍介・ジャーナリスト
  • 文字
  • 印刷

 旅行会社でパック旅行などの商品を購入したとき「旅行条件書」が提示されます。取消料や万一事故があったときの責任などが細かくびっしり書かれた文書です。これをしっかり読む人はまずいません。しかし、旅行業者はこれを示す義務があります。

 別な言い方をすると、何かあった時の責任をはっきりさせるため、つまり、業者が自分を守るためのものです。そのため自分本位になりがちです。わかりやすさより、間違っていない内容を示すことが第一になっているようです。

 こうしたことは、行政文書や法律文書によく見られます。規則に関するものや、なにか新たな制度をつくった…

この記事は有料記事です。

残り1300文字(全文1568文字)

川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。