マンション・住宅最前線

「子育てから介護まで」世田谷の世代循環型の街づくり

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト
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手前がグランクレール世田谷中町、奥の6棟がブランズシティ世田谷区中町
手前がグランクレール世田谷中町、奥の6棟がブランズシティ世田谷区中町

 その街区内につくられたケアレジデンス(介護住宅)は、日本で初めて英国スターリング大学認知症サービス開発センター(DSDC)の工夫を取り入れた。たとえば、床の一部の色を変えると、穴が開いているように見えてしまう。クリーム色の壁に付けられた点検用ドアを濃い色にすると、それがパニックの原因になりやすい……。

 そのような研究から認知症にやさしい室内空間を採用しているわけだ。DSDCの公表によると、デザインの工夫で認知症の人の廊下での転倒が71%減少し、暴力行為が60%減少するという。

 そのケアレジデンスは、東京都世田谷区内に完成したグランクレール世田谷中町(東急不動産)。全251戸で、うち176戸が自立した生活をおくる人のためのシニアレジデンス。残り75戸が前述したケアレジデンスとなる。

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櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。