思い邪なし

思い邪なし62 フォルステライト合成成功(三)

北康利・作家
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第二章 京セラ設立

フォルステライト合成成功(三)

 フォルステライト磁器の開発とU字ケルシマの受注により、稲盛たちの研究課は赤字垂れ流しの松風工業の中にあって唯一の収益部隊となった。

 (これはすごい新人が入ってきたな…)

 驚きの目で見ていたのが製造部長の青山政次(まさじ)である。

 青山は元々碍子(がいし)の担当であったが、研究所のほうも兼務していたのだ。そして経営陣に対し、

 「彼は自由にさせた方が力を発揮するタイプです」

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。