思い邪なし

思い邪なし63 若きリーダー(一)

北康利・作家
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第二章 京セラ設立

若きリーダー(一)

 稲盛が最初から人使いの名手だったわけではない。

 松風工業の研究室で、はじめて助手がついた時のこと。彼には相当手を焼いた。家が貧しかったために大学には行っていなかったが大変頭の切れる男で、世の中の理不尽さを早くして味わった者特有のニヒルなところがあった。

 ある日、彼に実験を任せて帰ってみると、期待した通りの検査値が出ていたので、思わず、

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。