思い邪なし

思い邪なし64 若きリーダー(二)

北康利・作家
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第二章 京セラ設立

若きリーダー(二)

 母キミに宛てた昭和三十三年(一九五八年)五月十日付の手紙には以下のような記述がある。

 <先日は内野先生の所から后輩(こうはい)が二名入社試験に来まして僕が試験問題を作り試験して採点し一名採用が決定し三月十八日に来る事になって居ます。それに續(つづ)いて同志社大学、立命館大学、京都大学等から八名試験に来たのでそれも小生が試験し小生の採点で二名の採用が決定しました 又 高校卒も試験問題を作り十八名試験し採点迄しました 全く研究の仕事の他にその様な人事の仕事迄しますので全く忙がしいです。専ム、常ム、工場長等、全く僕を信頼して何んでもまかしてさせますので責任重大です>

 採用したのは、みなセラミックスの素人だ。持っている知見ではなく、むしろ性格を見ながら将来性で判断し…

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。