ネットから読み解く経済・社会 フォロー

「チケキャン閉鎖」でも解決が難しいチケット転売問題

まつもとあつし・ジャーナリスト
業務を事実上終了したチケットキャンプのトップページ=筆者提供
業務を事実上終了したチケットキャンプのトップページ=筆者提供

 チケット転売仲介サイト「チケットキャンプ」が昨年12月、業務を事実上終了しました。兵庫県警が商標法違反容疑などで運営会社を捜索したからです。また今年1月11日には、運営会社の元社長らが詐欺容疑で京都府警から書類送検されました。いったい何があったのでしょうか。

IT大手ミクシィの子会社が運営

 チケットキャンプは、オンラインゲームなどを展開するIT大手ミクシィの100%子会社フンザ(東京都渋谷区)が運営していました。

 ライブコンサートや演劇などのチケットを購入したものの、都合が悪くなり行けなかったという悔しい思いをした人は多いでしょう。チケットキャンプは、購入チケットのイベントに参加できなくなった人と、参加したいのにチケットを購入できなかった人をマッチングし、個人間でチケットを取引できる場を提供するというふれ込みでした。

この記事は有料記事です。

残り1718文字(全文2081文字)

ジャーナリスト

ITベンチャー、出版社、広告代理店、映像会社などを経て、現職。ASCII.jp、ITmedia、ダ・ヴィンチなどに寄稿。著書に「知的生産の技術とセンス」(マイナビ/@mehoriとの共著)、「ソーシャルゲームのすごい仕組み」(アスキー新書)など。取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進めている。