思い邪なし

思い邪なし67 フィロソフィ(二)

北康利・作家
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第二章 京セラ設立

フィロソフィ(二)

 吉田から「君にはフィロソフィがある」と言われた稲盛は、自分の仕事に対する“思い”に自信を持ち始めていた。そして強烈なリーダーシップを発揮し始める。

 昼休みにはみんなで野球をし、大声を張り上げてストレス発散をしながら一体感を持つことに努めた。

 当時、松風工業の正門を出て二、三百メートルほど行った神足駅の近くに一杯飲み屋があった。稲盛はよく仕事帰りにみんなをそこに連れて行き、素うどんと焼酎のお湯割りをもらって、かんばんまで語り合った。

 「これまで何の関係もなかった我々がいっしょに仕事をする。これは何かの縁だと思わないか」

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北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。