素顔の沖縄けいざい

「3割が赤字」沖縄の地場産業・泡盛酒造所の振興策は

渡部晶・沖縄振興開発金融公庫副理事長
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酒造工場内
酒造工場内

 沖縄で新春恒例の賀詞交歓会・新年祝賀会のいくつかに参加した。最近の沖縄経済の好調から、参加者も多く、会場は満杯状態だった。

 沖縄県内の経済団体により1月4日に那覇市のホテルで開催された合同新年会では、石嶺伝一郎・県商工会議所連合会会長(沖縄電力会長)があいさつをした。石嶺会長は「景況感の良い今こそ長期的な取り組みが必要だ」といい、「観光客の伸びのスピードに受け入れ態勢が追いつかない」などと課題への対応の必要性を強調した。景気の良いときであればこそ、諸課題への対応を考える余裕もあるというものだ。

 新年会では、酒樽のふたを木槌で割る「鏡開き」が行われる。沖縄では酒樽のなかは当然、泡盛(あわもり)である。沖縄のことばで「サキ(酒)」と言えば、泡盛のことだ。

 泡盛は、蒸留酒の焼酎の一種に分類される。蒸し米にコウジ菌を繁殖させたこうじに黒コウジ菌を用いること、原料米の全てをこうじにして発酵させること、原料米にタイ国産のインディカ米を用いることに特色がある。九州の焼酎でも、黒コウジ菌を使用していることを強調して「黒○○」というような商品名の焼酎があるが、黒コウジ菌は沖縄由来のもので、沖縄に多く生息している。

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渡部晶

沖縄振興開発金融公庫副理事長

1963年福島県生まれ。87年京都大学法学部卒、大蔵省(現財務省)に入省。福岡市総務企画局長、財務省地方課長兼財務総合政策研究所副所長、内閣府大臣官房審議官(沖縄政策担当)などを経て、17年6月から現職。沖縄をはじめ、地域振興の仕事に携わってきた。「月刊コロンブス」(東方通信社)で書評コラムを掲載中。